簿記3級 勉強記録 #12
帳簿と伝票
概要
簿記3級の第2問のなかの「補助簿」について。主に第2問対策。
補助簿の問題は主に2種類。
- 補助簿の選択問題
問題文の取引がどの補助簿に記載されるかを選んでいく問題。
e.g.) 売掛金を回収し、現金を受け取った
a. 現金出納帳 b. 売上帳 c. 仕入帳 d.売掛金元帳 e.買掛金元帳 (回答はa.e.)
仕訳が書ければ選べる。
- 勘定記入
補助簿に基づいて勘定が記入できるか。
補助簿が読み取れれば解ける。
主要簿
今まで、取引を仕訳帳に記入し、総勘定元帳に転記し、試算表や財務諸表を書いてきた。
仕訳を書くノート:仕訳帳、勘定を書くノート:総勘定元帳
財務諸表を作る上で重要なので主要簿という。
仕訳帳
仕訳を書く帳簿。総勘定に転記する前のノート。
日付欄、摘要欄・金額欄、元丁欄、が記載される。
元丁欄は、総勘定元帳の何ページ目にあるかの記載。
総勘定元帳
勘定を書く帳簿。仕訳帳から転記されたノート。
日付欄、摘要欄、仕丁欄、金額欄、が記載される。
仕丁欄は、仕訳帳の何ページ目にあるかの記載。
標準式と残高式の2種類がある。
補助簿
メイン論点。「内部管理目的で作成される帳簿」であり、「財務諸表作成のための帳簿」ではない。
財務諸表は、主要簿をもとに作られる。
簿記は、取引をシンプルに記載しようという目的なので、主要簿はシンプルに纏められる。
逆に、細かい内容をまとめたいというとき、詳細に記録したいときは主要簿だと不便なので、補助簿が用いられる。
補助簿には大きく2種類存在する。
補助記入帳 :特定の勘定科目について、取引の発生純に記録する補助簿
補助元帳:特定の勘定科目について、取引先別、品目別などに区別して記録する補助簿
補助記入帳
現金預金関係:現金出納帳、当座預金出納帳、小口現金出納帳
手形関連:受取手形記入帳、支払手形記入帳
商品売買関連:売上帳、仕入帳
出納帳と記入帳はこっち
現金出納帳
現金(資産)勘定に関しての詳細な記録
当座預金出納帳
当座預金(資産)勘定に関しての詳細な記録
借方残高の方が多いのか、貸方残高のほうが多いのかが分かる列もある。
なお、当座預金に於いて貸方残高が多いというのは預金がマイナスということであり、当座借越契約をしているかチェックするポイントとなる。
小口現金出納帳
小口現金(資産)勘定に関しての詳細な記録
例えば、営業社員への交通費など「とりあえずこれだけ出しておくね」という概算を見繕う勘定。
後からその金額分補給を行うっていう勘定。(復習)
補給は翌週行うこともあれば、社員の報告と同時に補給する場合もある。
受取手形記入帳
受取手形(資産)勘定に関しての詳細な記録
支払手形記入帳
支払手形(負債)勘定に関しての詳細な記録
売上帳
売上(収益)勘定に関しての詳細な記録
「総」売上高、「純」売上高の記載がある。(返品の可能性もあるため)
仕入帳
仕入(費用)勘定に関しての詳細な記録
補助元帳
前述の通り、「取引先別」や「品目別」などにまとめられた帳簿。
掛代金関連:売掛金元帳(得意先元帳)、買掛金元帳(仕入先元帳)
商品関連:商品有高帳
固定資産関連:固定資産台帳
売掛金元帳(得意先元帳)
売掛金(資産)勘定の増減を、得意先別に記録した帳簿
買掛金元帳(仕入先元帳)
買掛金(負債)勘定の増減を、仕入先別に記録した帳簿
商品有高帳
商品の増減を記録する補助簿。
他とは違い、勘定科目についてではない。「商品ごと」の帳簿である。
仕訳は、「商品勘定」は存在しないため仕入と売上のみ記載する。
例外的な帳簿で、商品の増減が生じたら記載する点に注意。
売上や仕入が発生したら、売上帳や、仕入帳と同時にこちらにも記載する。
なお、原価について記入するため、販売単価については触れない。売価については記載しない。
商品有高帳の月末分には「次月繰越」と繰越分を払出欄に記載すること。(合計欄で数量・金額の整合性確認)
払い出し単価の決定方法
同じ商品であっても、仕入れる都度、仕入単価が異なる場合がある。その場合、仕入単価を厳密に区別して管理するのは困難なため、仮定で計算する。
※ 払い出したときに商品有高帳に記載するが、その際に払い出し金額がいくらか記載しないといけないが、わからないのだ。
売上原価の計算
商品の原価には仕入と売上原価の2つの金額が存在する。在庫分だけずれる。
仕入原価:商品の原価で商品有高帳では受け入れ欄に記入される。仕訳は仕入(費用)勘定。
売上原価:販売した商品の仕入に必要だった金額で、商品有高帳では払出欄に記入される。売価ではないため仕訳はされない。
期首在庫 + 当期仕入 = 当期売上 + 期末在庫 になる。公式は若干違うが理論的にはこういうこと。
売上総利益の計算
利益なので、損益計算書を考える。
商品売買における儲け:売上総利益
売上額から売上原価を差し引いた額。結局は、売り上げた個数分の原価が知りたいので。
固定資産台帳
固定資産を管理するための補助簿。
伝票
試験的な重要度は低い
伝票とは
仕訳は仕訳帳に記入するが、仕訳帳よりも少ない手間で記録するものが伝票。伝票に記入することを起票という。
仕訳帳の代役になる。
小さい会社、取引の大半が現金取引である会社に向いている記録方法。
例えば、仕入・売上があまりなく、大半を入金・出金が占める場合。(フリーランスエンジニア?)
起票
基本的な起票方法(3伝票制)
入金伝票:現金勘定が増加する 出金伝票:現金勘定が減少する 振替伝票:その他
入金も出金も行われていない。つまり、現金の取引が行われない掛け取引の場合が振替伝票。
一部現金取引の起票方法(応用)
例えば「商品売買の代金の一部を現金で受け取り、残額を掛けとした」場合。
入金伝票と振替伝票を起票しなければならないか?
この場合、起票方法は2種類ある。
取引を分割する方法:そのままの意味で、入金伝票と振替伝票の2つを起票する。
取引を擬制する方法:全額掛け売上を行い、直後に一部の現金を回収したとみなす起票。起票する伝票は通常と同じ2種類。
入金伝票の相手科目が変わるので注意。
総勘定元帳への転記
取引の都度転記すること:個別転記→手間
伝票の場合は、個別転記でなく1日分をまとめて合計転記することが一般的。
一日の終りにその日の伝票を仕訳日計表に集計し、仕訳日計表から総勘定元帳へ合計転記する。
仕訳帳の場合は直接総勘定元帳へ転記していたが、伝票は「仕訳日計表」を挟む。
総勘定元帳の摘要には「仕訳日計表」の記載となる。
売掛金元帳、買掛金元帳への転記
伝票制度をしていても、補助簿の売掛金元帳と買掛金元帳へは合計転記でなく個別転記を行う。
売掛金元帳と買掛金元帳の摘要は、各伝票種別名。